国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問102解説

 問 題     

生物多様性・生態系保全に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。


㋐ サンゴの白化の原因である海水温の上昇に対する抜本的な対策として、温室効果ガスの排出量を削減することを、温暖化への適応策という。

㋑ 生態系管理において、仮説の設定・モニタリング・検証を繰り返すことにより不確実性を小さくしてから管理を開始することを、順応的管理という。

㋒ 我が国の「生物多様性国家戦略 2012 ‒ 2020」では生物多様性の四つの危機要因の一つとして、自然資源の利用の減少 (アンダーユース) が挙げられている。


1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
地球温暖化の対策には大きく二つの方法があります。 一つは、温暖化の原因である温室効果ガスの排出量を下げる対策です。「緩和策」と呼ばれます。「適応策」ではありません。㋐ は誤りです。

ちなみに、「適応策」は
温暖化を含む気候変動による悪影響をできるだけ避けるための対策です。具体例としては、高い堤防の設置などがあげられます。


㋑ ですが
「順応的管理」とは、生態系管理において仮説の設定・モニタリング・検証を繰り返すことにより「不確実性を前提として管理を行う」ことです。「不確実性を小さくしてから」ではありません。㋑ は誤りです。


㋒ は妥当です。

4つの危機とは
1:開発や乱獲による危機
2:人間による働きかけ不足による危機
3:外来生物や化学物質による危機
4:気候変動など地球環境の変化による危機 です。

アンダーユースは、上の 2 番目の危機に該当します。


以上より、正解は 5 です。

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