国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問6解説

 問 題     

コロイドに関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「コロイド粒子は、セロハンなどの半透膜を通過できない。そこで、コロイド溶液を半透膜のチューブなどに入れ純水などに浸しておくことで、コロイド溶液を精製できる。この操作は ㋐ の現象を利用している。

コロイド溶液に 2 本の電極を入れ直流電源につなぐと、例えば粘土のコロイド溶液の場合は、コロイド粒子が正極の側に移動する。この現象を ㋑ という。

粘土のコロイド溶液に少量の電解質を加えると、コロイド粒子が沈殿する。このとき加える電解質として Al2(SO4)3 と Na3PO4 を比較すると、陽イオンのモル濃度が同じとき、 ㋒ の方がコロイド粒子をより沈殿させやすい。」

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
半透膜による分子サイズに基づく分離なので「透析」です。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
「ブラウン運動」は、やや大きなコロイド粒子に溶媒分子が衝突することによる、不規則な運動のことです。コロイド粒子が正極側に移動する現象は「電気泳動」です。正解は 1 or 3 です。

㋒ ですが
Al3+ と Na+ の比較なので、価数が大きい Al3+ の方が沈殿させやすいです。


以上より、正解は 3 です。

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