国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問89解説

 問 題     

真核細胞の核に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 真核細胞の核を覆う核膜は内外 2 層から成る脂質膜であり、その一部は小胞体やゴルジ体と連結している。

㋑ DNA とタンパク質の複合体であるクロマチンの基本的な構成単位は、 4 種類 8 個のヒストンタンパク質の周囲に DNA が巻き付いた構造であり、この構造体をヌクレオソーム (ヌクレオソーム・コア粒子) と呼ぶ。

㋒ クロマチンは凝集の度合いの違いによりヘテロクロマチンとユークロマチンに分類され、ヘテロクロマチンでは遺伝子の転写活性が高い傾向にある。

㋓ 核膜孔は核膜を貫通し核と細胞質の間の物質輸送を制御するチャネルで、核酸やタンパク質等は核膜孔を介して核内外を移動する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
核膜は脂質二重膜です。小胞体やゴルジ体は一重膜です。また、核の内膜、外膜、小胞体は、1 つの連続した膜系を構成します。しかし「ゴルジ体 と 核膜」は連結していません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
クロマチンの基本的な構成単位であるヌクレオソームについての記述です。

㋒ ですが
まず、クロマチンは「DNAとヒストンの複合体」です。そして、凝縮度が高いのがヘテロクロマチンです。ゆるいのがユークロマチンです。ユークロマチンが、転写活発な領域です。「ヘテロクロマチン … 遺伝子の転写活性が高い傾向」ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
核膜孔についての記述です。


以上より、正解は 4 です。

類題 H29no91 細胞の構造や機能
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-91/

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