国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問77解説

 問 題     

微生物の生育を測定する方法に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 顕微鏡による酵母数の直接測定法にはトーマの血球計算盤を用いる方法があり、特定の染色法を用いることで生菌と死菌を区別して測定することが可能である。

㋑ 標準平板希釈法は、 1 個の生細胞が分裂して寒天平板培地上で 1 個のコロニーを形成することを根拠として細胞数を計測する方法で、一定の割合で希釈した培養液の一定量を平板培地で培養し、生じたコロニーの数から元の培養液中の細胞数を算出する。

㋒ 濁度測定法は、液体培地で微生物を培養したとき、微生物の増殖により液体培地の濁度が増加することを利用した測定法である。一般には、比色計や分光光度計を用いて、波長 280 nmにおける吸光度を測定して濁度とする。

㋓ 乾燥重量測定法は、一定量の培養液中に存在する微生物細胞を回収し、乾燥させた後の重量を測定して細胞量を算出する方法である。


1.㋐、㋑、㋓
2.㋐、㋒
3.㋐、㋒、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
生菌と死菌を区別する染色法として、メチレンブルー染色法などが知られています。

㋑ は妥当です。
標準平板希釈法についての記述です。

㋒ ですが
濁度測定法で用いる波長は 600nm、660nm、730nm などです。280nm は、タンパク質濃度測定に用いる波長です。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
乾燥重量測定法についての記述です。


以上より、正解は 1 です。

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