問 題
インスリンシグナルに関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ インスリンは、異なる遺伝子にコードされる 2 種類のペプチド鎖がジスルフィド結合で架橋されたヘテロ二量体である。
㋑ グルコース輸送タンパク質 4 (GLUT4) はインスリン受容体によって細胞膜上でリン酸化されると活性化し、グルコースが細胞内に流入する。
㋒ 標的細胞の細胞膜上に存在するインスリン受容体はチロシンキナーゼを内蔵し、インスリン刺激に応答して自身や他のタンパク質をリン酸化する。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒
解 説
㋐ ですが
インスリンは、膵臓ランゲルハンス島 β 細胞から分泌されるホルモンの一種です。肝臓や筋肉でのグリコーゲン合成を促進させる働きがあります。すなわち、血糖値を下げる役割のあるホルモンです。
インスリンは、21 aa (amino acid) からなる A 鎖 と、30 aa からなる B 鎖が、2個の S – S 結合で結ばれた構造です。これらは 1 つの遺伝子にコードされています。「異なる遺伝子にコードされる 2 種類のペプチド」ではありません。㋐ は誤りです。
㋑ ですが
GLUT4 は、普段は細胞内の小胞に存在しており、インスリンの刺激に応答して細胞膜に輸送され、血中のグルコースを細胞内に取り込みます。「インスリン受容体によって細胞膜上でリン酸化されると活性化」ではありません。㋑ は誤りです。
㋒ は妥当です。
細胞膜上に存在するインスリン受容体についての記述です。
以上より、正解は 5 です。
参考 細胞膜受容体タンパク質などのリン酸化を介した情報伝達経路
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-7-5-3/
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