問 題
有機リン系農薬に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ 現在我が国で使用されている代表的な有機リン系農薬には、フェニトロチオン、マラチオン、パラチオンなどがある。
㋑ 有機リン系農薬はアセチルコリンエステラーゼをリン酸化することで、非可逆的に酵素活性を失活させる。
㋒ 有機リン系農薬の殺虫効力には、オキソン体の生成による代謝活性化が寄与している。
㋓ 有機リン系農薬による暴露で、一般に、呼吸困難、意識障害、散瞳などの副交感神経遮断に伴う症状が現れ、2 ‒ PAM が解毒剤として用いられる。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解.3
解 説
㋐ ですが
フェニトロチオン、マラチオン、パラチオンは有機リン系農薬です。この中で「パラチオン」は急性毒性のため使用中止になっています。「現在我が国で使用されている」わけではありません。㋐ は誤りです。
㋑ は妥当です。
有機リン系農薬の作用機序についての記述です。
㋒ は妥当です。
P = S が P = O 基に変わったものが「オキソン体」です。
㋓ ですが
アセチルコリンエステラーゼを失活させることで「アセチルコリンを分解する酵素」が失活するので、アセチルコリン過剰になります。副交感神経過剰興奮に伴う症状です。副交感神経「遮断」ではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
類題 H27no69 我が国における農薬の発達史
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-69/
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