問 題
クロマトグラフィーによる食品や環境中の残留農薬分析に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ 有機塩素系農薬の分析では、炎光光度検出器を搭載したガスクロマトグラフィーが用いられている。
㋑ 質量分析計を搭載した高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーを用いることで、農薬成分の同定と定量が同時に行える。
㋒ 逆相系高速液体クロマトグラフィーでは、主にオクタデシル基で修飾したシリカゲルが固定相に用いられている。
㋓ 分子サイズの差を利用したゲル浸透クロマトグラフィーでは、分子量の小さな物質から順に溶出する。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓
解 説
㋐ ですが
炎光光度検出器 (FPD:Flame Photometric Detector) は、リン(P)化合物、硫黄(S)化合物、有機スズ(Sn)化合物に対する選択的高感度検出器です。塩素の検出ができるわけではありません。有機塩素系農薬分析との対応は不適切です。㋐ は誤りです。
㋑ は妥当です。
lc-ms、gc-ms についての記述です。同定とは「何がある」かを定めることです。定量は「どのくらいの量ある」かを量ることです。
㋒ は妥当です。
逆相では、移動相 (流す液体) が極性です。固定相が 疎水性です。代表的な固定相が 記述にある、通称 ODS です。
㋓ ですが
ゲル浸透クロマトグラフィーとは、ゲルろ過クロマトグラフィーのことです。分子量が「大きい」物質ほど速く出てきます。「小さな物質から順に」ではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
参考
クロマトグラフィーの種類、特徴、分離機構
https://yaku-tik.com/yakugaku/bs-2-5-1/
クロマトグラフィーで用いられる代表的な検出法と装置
https://yaku-tik.com/yakugaku/bs-2-5-2/
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