問 題
土壌及び環境負荷物質に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ 土壌は有機物の形で炭素を貯留することから、大気の二酸化炭素濃度を調節する役割を果たしている。
㋑ 未熟の家畜ふん堆肥を土壌表面へ施用すると、含まれているアンモニア態窒素の一部がアンモニアとして大気中に揮散する。大気中に揮散したアンモニアは、降雨を介して地表へ沈着し、土壌酸性化の原因となる。
㋒ 農地由来の一酸化二窒素は、主に湛水条件下の土壌での有機物分解過程で発生する。
㋓ 肥料として過剰に農地へ投入されたリンは、溶存態として地下へ浸透しやすく、地下水を経て河川や湖沼へ至り、水圏の富栄養化を引き起こす。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓
正解.1
解 説
㋐ は妥当です。
土壌中の炭素貯留に関する記述です。
㋑ は妥当です。
未熟堆肥とは、易分解性有機物を多く含む堆肥です。
㋒ ですが
湛水条件下とは、低酸素状態 (嫌気状態) です。低酸素状態だけでなく、酸素の多い好気条件下でも、アンモニウム態窒素が硝酸態窒素へと変化する過程で発生します。「主に湛水条件下の土壌での有機物分解過程で発生」ではありません。㋒ は誤りです。
㋓ ですが
溶存態リンとは、溶けて存在している状態のリン、つまり イオン化しているリンのことです。土壌はリン酸を収着しやすい性質があり、リンは土壌や水系の溶液相に比べ、固相のほうにはるかに高い濃度で存在しています。「溶存態として地下へ浸透しやすく」という記述は妥当ではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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