国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問56解説

 問 題     

薬物代謝に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 喫煙により誘導されるシトクローム P450 (CYP) は CYP3A4 である。

㋑ ヒトの肝臓で最も多く存在している CYP は CYP1A2 である。

㋒ リファンピシンは、プレグナン X 受容体を介してトリアゾラムの代謝酵素を誘導する。

㋓ エリスロマイシンは、その代謝物が CYP のヘム鉄と複合体を形成し、CYP を失活させる。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
喫煙により誘導されるのは CYP 1A2 です。オランザピンやテオフィリンの作用に影響します。「CYP 3A4」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
最も多く存在しているのは「CYP3A4」です。「1A2」ではありません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
リファンピシンについての記述です。リファンピシンは プレグナン X 受容体 (PXR) を活性化します。PXR は、シトクロム P450 遺伝子 CYP3A4 の転写調節因子です。

㋓ は妥当です。
マクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンについての記述です。


以上より、正解は 5 です。

コメント