国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問55解説

 問 題     

治療薬物モニタリング (TDM) の実施が必要とされる代表的な薬物に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ フェニトインは治療濃度域で代謝過程の飽和現象が認められる。

㋑ バンコマイシンは主に肝代謝で消失するので、肝障害患者に投与する際には注意が必要である。

㋒ ジゴキシンは主に尿中排泄されるので、腎障害患者に投与する際には注意が必要である。

㋓ シクロスポリンの血中濃度測定には、一般に血漿を用いる。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
フェニトインについての記述です。

㋑ ですが
ゲンタマイシン(アミノグリコシド系抗生物質)やバンコマイシン(グリコペプチド系抗生物質)などは、尿中排泄率が高く、主に腎代謝で消失します。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
ジゴキシンについての記述です。

㋓ ですが
シクロスポリンとタクロリムスは血球成分にも分布するので全血で TDM がポイントです。「血漿」ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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