国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問53解説

 問 題     

粉体の性質に関する記述 ㋐ ~ ㋓のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 粉体の比表面積が大きいほど、空気の透過速度は遅くなる。

㋑ 浸漬ぬれは拡張ぬれよりもぬれやすい。

㋒ 流動性が悪い粉体は、流動性が良い粉体よりも安息角が小さい。

㋓ 水不溶性の粉末状の医薬品は、相対湿度が上昇すると湿重量は増大する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当です。
コゼニーカルマンの式より、空気の透過速度と 比表面積の 2 乗は反比例の関係にあります。

㋑ ですが
接触角 θ = 0、つまりぺた~っと液相が広がるようなぬれのことが拡張ぬれです。接触角 θ = 0 ~ 90、つまりじわ~っと液相が広がるようなぬれのことを浸漬ぬれと呼びます。接触角が小さい方がぬれやすいため、ぬれやすいのは拡張ぬれです。㋑ は誤りです。

㋒ ですが
安息角とは、粉をサラサラ落として積もらせた時の傾斜です。流動性が良い粉体では安息角が小さくなります。「流動性が悪い粉体は…安息角が小さい」わけではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
吸湿して重量増加します。


以上より、正解は 3 です。

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