国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問40解説

 問 題     

A → C で表される液相 1 次反応がある。この反応をある条件下で、反応器容積 V の連続槽型反応器で行ったところ、A の反応率 (転化率) が 80 % となった。

同じ温度、同じ原料供給速度でこの反応を、管型反応器を用いて行い、反応率を同じく 80 % にするとき、管型反応器に必要な容積として最も妥当なのはどれか。

ただし、loge 1.25 = 0.22、loge 5 =1.60 とする。

1. 0.06 V
2. 0.22 V
3. 0.40 V
4. 1.00 V
5. 1.60 V

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

連続槽型、一次反応であれば
空間時間を τ とすれば、残存率 η = 1/(1+kτ) です。

残存率 20% の場合
0.2 = 1/(1 + kτ) なので、τ について解けば
必要な空間時間 τ = 4/k…(1)

一方、管型反応器の空間時間は
回分反応器の反応時間と等しくなります

回分反応器は
要するに 1 – コンパートメントとみなせるので
1 次反応であれば、半減期 T1/2 ≒ 0.7/k です。

すると、80 % 反応するまでに必要な時間は
大体 2 半減期なので 1.4/k よりも少し大きいぐらい…(2) と表せます。

空間時間の定義は V/v0 です。
問題文から「同じ原料供給速度」とあるので v0 等しいです。

同じ温度なので、k 等しいから
(2) は (1) の大体 40% です。

従って
管型反応器に必要な 容積 は、大体 0.4V と考えられます。

以上より、正解は 3 です。

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