問 題
厚さ 240 mm の耐火レンガの外側に厚さ 120 mm の断熱レンガ、更にその外側に厚さ 100 mm の赤レンガを重ねた炉壁がある。赤レンガの外表面の温度が 45 ℃ であり、断熱レンガの安全使用温度が 850 ℃ 以下であるとき、炉壁の内表面に許容される最大温度として最も妥当なのはどれか。
ただし、耐火レンガ、断熱レンガ、赤レンガの熱伝導度をそれぞれ 1.2 J・m-1・s-1・K-1、0.20 J・m-1・s-1・K-1、1.0 J・m-1・s-1・K-1 とする。
1. 1000 ℃
2. 1080 ℃
3. 1170 ℃
4. 1250 ℃
5. 1360 ℃
解 説
伝熱なので、フーリエの法則を思い出します。q = λA(T1ーT2) / L です。温度差が必要なので、炉内と耐火レンガの境目温度を T炉、耐火レンガと断熱レンガの境目の温度を TM 、断熱レンガと赤レンガの境目温度を TL、赤レンガと炉外の境目温度を Tk とおきます。
耐火レンガ部分、断熱レンガ部分、赤レンガ部分をそれぞれ、q1,q2,q3 とおいて式を立てます。数値の代入は最後にまとめて行うため、耐火レンガの熱伝導度、厚さを λ1、L1、断熱レンガの熱伝導度、厚さを λ2、L2、赤レンガの熱伝導度、厚さを λ3、L3 とします。以下のようになります。
定常状態とします。q1 = q2 = q3 です。q とおきます。
TM = 850 ℃、TK = 45℃ と仮定します。この時の T炉 が、許容される最大温度です。
λ1 = 1.2、λ2 = 0.2、λ3 = 1.0、L1 = 240、L2 = 120、L3 = 100 を代入します。式 3 つで、未知数が q,A,TL の 3 つなので、解けます。一例として、以下のように計算して、T炉 = 1080 ℃ です。
以上より、正解は 2 です。
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