国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問38解説

 問 題     

ジエチルエーテルを溶剤に用いて、タラ肝から肝油を抽出する。原料のタラ肝は、肝油 33 wt %、不溶性物質 67 wt % から成り、溶剤のジエチルエーテルはリサイクルして使用したため、1 wt% の肝油を含んでいる。

原料 100 kg に溶剤 200 kg を加えて抽出したところ、肝油 19 wt%、ジエチルエーテル 81 wt % の抽出液 182 kg が得られた。このとき、抽残物における肝油及びジエチルエーテルの組成の組合せとして最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

【投入した原料と抽出物について】
原料 100kg の内訳は「肝油 33kg、その他 67kg」です。溶剤ジエチルエーテルの内訳は「ジエチルエーテル 198kg、肝油 2kg」です。インプット合計は 100 + 200 = 300kgです。

抽出液 182 kg の内訳は「肝油 182 × 0.19 = 34.58 kg、ジエチルエーテル 182 × 0.81 = 147.42 kg」です。抽残物は 300 – 182 kg = 118 kg あります。


【肝油に注目した物質収支】
肝油は 抽残物 118 kg の中に (33 + 2) – 34.58 = 0.42 kg 存在すると考えられます。 0.42/118 × 100 = 0.356 ≒ 0.4 です。正解は 1 or 2 です。


【ジエチルエーテルに注目した物質収支】
ジエチルエーテルは 抽残物 118 kg の中に 198 – 147.42 = 50.58 kg 含まれると考えられます。 50.58/118 × 100 = 42.9 です。


以上より、正解は 1 です。

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