国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問32解説

 問 題     

2 ‒ ペンチンの還元反応では、還元生成物には次の A、B、C があり、還元反応の方法によって主生成物となるものが異なる。

㋐ ~ ㋓ の方法で 2 ‒ ペンチンの還元を行ったとき、主生成物となるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。


㋐ 水素化ビス (2 ‒ メトキシエトキシ) アルミニウムナトリウムを用いる方法

㋑ ナトリウムと液体アンモニアを用いる方法

㋒ 白金と水素を用いる方法

㋓ パラジウム担持炭酸カルシウム、酢酸鉛、水素及びキノリンを用いる方法

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

A,B,C どれもアルキンの還元ですが

・A:アルカンまで還元
・B:trans のアルケンに還元
・C:cis のアルケンに還元 となっています。


㋐ ですが
水素化ビス (2 ‒ メトキシエトキシ) アルミニウムナトリウムは、Red – Al という商標がよく知られています。Red – Al による アルキンの還元では、trans アルケンが選択的に得られます。㋐ は B です。

㋑ ですが
Na,NH3aq なので「Birch 還元(バーチ還元)」です。バーチ還元では、trans アルケンが選択的に得られます。㋑ は B です。

㋒ ですが
Pt 触媒による水素化では、アルケンまで還元されます。途中のアルキンでは反応が止まりません。㋒ は A です。

㋓ ですが
炭酸カルシウムに担持した Pd なので「Lindlar 触媒(リンドラー触媒)による接触水素化」 です。cis のアルケンが得られます。㋓ は C です。


以上より、正解は 2 です。

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