国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問31解説

 問 題     

カルボニル化合物にシアン化水素を作用させると、次の付加反応が起こりシアノヒドリンを生成する。

カルボニル化合物 ㋐ ~ ㋓ がこの付加反応を起こすとき、その反応が熱力学的に有利なものから順に並べたものとして最も妥当なのはどれか。

1.㋑  ㋓  ㋐  ㋒
2.㋑  ㋓  ㋒  ㋐
3.㋒  ㋐  ㋓  ㋑
4.㋓  ㋑  ㋐  ㋒
5.㋓  ㋑  ㋒  ㋐

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

熱力学的安定性を考えるので、R1,R2 が共に大きくない方が、立体障害的によいと考えられます。従って、R2 = H となっている ㋑、㋓ の方が安定性が大きく、さらに R1 がより小さいため ㋓ が最も安定ではないかと思われます。正解は 4 or 5 です。


㋐ と ㋒ を比較すると、R2 が メチル基である ㋒ の方がより置換基が小さいので、㋒ の方が相対的に安定と考えられます。


以上より、正解は 5 です。

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