問 題
分子式 C4H4O4 の2価の不飽和カルボン酸には、シス型のマレイン酸とトランス型のフマル酸がある。共に無色の結晶であるが、物理的、化学的性質は大きく異なっている。マレイン酸、フマル酸に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 水に対し、フマル酸は非常によく溶けるが、マレイン酸はほとんど溶けない。
㋑ これらの酸は 2 段階の酸解離が起こり、第 1 段階の酸解離定数は、フマル酸よりもマレイン酸の方が大きい。
㋒ エネルギー的にはフマル酸の方が安定であり、燃焼熱は、フマル酸よりもマレイン酸の方が大きい。
1.㋐
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒
正解.4
解 説
㋐ ですが
シス型のマレイン酸は極性分子、トランス型のフマル酸は無極性分子なので、極性の高い水によく溶けるのはマレイン酸です。㋐ は誤りです。
㋑ は妥当です。
フマル酸では分子間水素結合のため水素は電離しにくいのに対し、マレイン酸では第1電離によって生じた COO-が、もう一つの COOH の H との間に分子内で水素結合を形成し安定化するためです。
㋒ は妥当です。
トランス型のフマル酸の方が安定です。
以上より、正解は 4 です。
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