国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問97解説

 問 題     

植物の自家不和合性に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「あるトマトの系統は、配偶体型の自家不和合性の機構をもつため自家受粉で種子ができず、他家受粉でも交配の組合せによっては種子ができなくなる。このトマトの自家不和合性に関わる遺伝子座 (S) には四つの複対立遺伝子 (S1、S2、S3、S4) がある。

このトマトにおいて、遺伝子型が S1S2 の個体の花に遺伝子型が S3S4 の個体に由来する花粉を受粉させたとき、得られる種子の遺伝子型は ㋐ 種類ある。また、遺伝子型が S1S2 の個体の花に遺伝子型が S2S3 の個体に由来する花粉を受粉させたとき、得られる種子の遺伝子型は ㋑ 種類ある。」

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

配偶体型の自家不和合性なので、個体の遺伝子型と種子の遺伝子型がかぶってしまうと育ちません。


㋐ ですが
遺伝子型 S1S2 の個体からは S1 及び S2、遺伝子型 S3S4 の個体からは S3、S4 を有する配偶子ができます。

従って
種子の遺伝子型の組み合わせは S1S3、S1S4、S2S3、S2S4 の 4 種類です。個体の遺伝子型とのかぶりはなく、全て種子として得られます。㋐ は「4」です。


㋑ ですが
遺伝子型 S1S2 の個体からは S1 及び S2、遺伝子型 S2S3 の個体からは S2、S3 を有する配偶子ができます。

従って、種子の遺伝子型の組み合わせは、S1S2、S1S3、S2S2S2S3 です。ここで「S1S2」 、「S2S3」の組み合わせは、個体の遺伝子型とかぶっているので育ちません。そのため、得られる種子の遺伝子型は「2」種類です。


以上より、正解は 3 です。

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