国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問95解説

 問 題     

ヒトの遺伝病に関する次の記述の ㋐,㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図は,ある男女 A ~ H  の P 病と Q 病に関する家系図である。この家族において,G のP 病の発症に関わる対立遺伝子は ㋐ に由来する。また,E と F の夫婦の間に次に産まれる子供が,P 病を発症するが Q 病を発症しない男子である確率は ㋑ % である。

ただし,P 病と Q 病はいずれも X 連鎖劣性遺伝し,それぞれの病気に関わる遺伝子座の間の組換え価を 10 % とする。」

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
A 由来だったとします。A の XY における X 染色体は E に受け継がれていません。A → E → G と受け継がれているのは Y 染色体です。そのため、X 連鎖遺伝する P 病の対立遺伝子が A 由来であることはありえません。㋐ は「D」です。正解は 4 or 5 です。


㋑ ですが

X 染色体における P 病、Q 病の遺伝子を P,Q とします。対立遺伝子を p,q とします。※劣性遺伝なので p,q のみになったらそれぞれ P 病、Q 病が発症します。

男性 E (P 病のみ発症) の XY 染色体を X(pQ)Y
女性 F (健康) の XX 染色体を X(PQ) X(pq) と表します。


E と F の子どもが 男子である確率は 50% です。
その時、「女性 F から X 染色体を、男性 E から Y 染色体を」引き継ぎます。

・組み換えを考慮すれば、女性 F から作られる配偶子は X(PQ)、X(pq)、X(pQ)、X(Pq) です。太字で濃くした方が組み変わっている配偶子です。組み換え価が 10% であるから、全体の中で太字の割合が 10% です。そのため、P 病のみ発症する X(pQ) を受け継ぐ割合は 10% × 1/2 = 5% です。


従って、㋑ は

50% × 5% = 2.5% となります。


以上より、正解は 4 です。

類題 R1no96 遺伝病
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-96/

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