国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問90解説

 問 題     

真核細胞の細胞分裂に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 細胞分裂には体細胞分裂と減数分裂があり、受精卵は減数分裂によって成長する。

㋑ 分裂してできた細胞が、次の細胞分裂を終えて新たな娘細胞を生み出す過程を細胞周期と呼び、この周期の長さは細胞の種類によらず一定である。

㋒ 染色体は細胞分裂の準備期間である間期に複製されて、細胞当たりの DNA 量は 2 倍になる。

㋓ 細胞周期にはチェックポイントがあり、DNA 損傷等の異常が起こると細胞周期は停止し、修復が不可能な場合、細胞はネクローシスを起こす。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋑、㋓
3.㋑、㋒
4.㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
接合する生殖細胞を配偶子といいます。配偶子ができる細胞分裂が減数分裂です。配偶子同士が接合した受精卵は、体細胞分裂で分裂し成長します。㋐ は誤りです。正解は 3 ~ 5 です。これにより、㋒ は妥当とわかります。

㋑ ですが
細胞周期の長さは、細胞の種類によってまちまちです。「細胞の種類によらず一定」ではありません。㋑ は誤りです。正解は 4 or 5 です。

㋓ ですが
ネクローシスではなく「アポトーシス」です。アポトーシスは、プログラム化されている細胞の死です。ネクローシスは、プログラム化されていない細胞死です。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

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