国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問80解説

 問 題     

レポーター遺伝子に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ レポーター遺伝子とは、細胞や組織内で特定の遺伝子発現を測定するため、目的遺伝子のプロモーターの制御領域下に組み込まれる遺伝子である。

㋑ 細胞や組織内での遺伝子発現を可視化する目的で、緑色蛍光タンパク質 (GFP) をコードする遺伝子がレポーター遺伝子としてよく使用される。

㋒ 生体内での遺伝子発現を可視化する目的で、発光生物由来のルシフェリンをコードする遺伝子がレポーター遺伝子としてよく使用される。

㋓ lacZ はクロラムフェニコールアセチル転移酵素 (CAT) をコードする遺伝子で、トランスフェクションのモニタリングに使用できるレポーター遺伝子である。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋑、㋓
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
レポーター遺伝子の定義についての記述です。

㋑ は妥当です。
GFP についての記述です。

㋒ ですが
「ルシフェラーゼ」をコードする遺伝子です。ルシフェリンは、ルシフェラーゼの触媒作用により酸化されて発光する低分子物質です。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
lacZ は、β – ガラクトシダーゼ (LacZ、β-ガラクトシデースとも呼ばれる) をコードする遺伝子です。クロラムフェニコールアセチル転移酵素 (CAT) をコードする遺伝子ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

コメント