国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問78解説

 問 題     

微生物の糖代謝に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「微生物における嫌気的な糖代謝経路の一つである ㋐ 経路をエネルギー代謝の視点でみると、グルコースを ㋑ に分解することにより 2 分子の ATP と 2 分子の ㋒ 型ピリジンヌクレオチドを取り出す過程であるといえる。

継続的に ㋐ 経路により ATP を得るには、 ㋒ 型ピリジンヌクレオチドを ㋓ 型に再生させる必要があるので、好気呼吸では電子伝達系、発酵では ㋑ をアルコールや乳酸に ㋒ させる反応を利用している。」

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ ですが
エムデンーマイヤーホフ(EM経路)も、エントナーードゥドロフ(ED経路)も、共に解糖系の一種です。EM が、大腸菌からヒトまで、多くの生物に保存されている経路です。ED は好気性の真正細菌でよく見られます。「嫌気的」な経路なので、㋐ は「エムデンーマイヤーホフ」です。正解は 1 ~ 3 です。

㋑ ですが
エムデンーマイヤーホフ経路は、グルコースを ピルビン酸に分解する経路です。㋑ は「ピルビン酸」です。正解は 2 or 3 です。

㋒ ですが
記述の最後の部分に注目すると「㋑:ピルビン酸 をアルコールや乳酸に ㋒ させる」とあります。ピルビン酸はカルボン酸なので、カルボン酸 → アルコール であれば、これは「還元」です。㋒ は「還元」です。これにより、㋓ が「酸化」とわかります。


以上より、正解は 2 です。

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