国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問77解説

 問 題     

微生物の分類に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「環境中の酸素の有無が生育に及ぼす影響に着目して微生物を分類すると,酸素があると生育できないグループである ㋐,酸素の有無に関わらず生育できるグループである ㋑,酸素がないと生育できないグループに分けられる。㋐ の例としては ㋒,酸素がないと生育できないグループの例としては ㋓ が挙げられる。」

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐、㋑ ですが
酸素の有無にかかわらず生育可能である微生物は「通性」です。「酸素があると生育できない」グループは通性ではなく「偏性」です。㋐ は「偏性嫌気性菌」、㋑ は「通性嫌気性菌」が妥当です。正解は 3 ~ 5 です。

㋒ ですが
ビフィズス菌 (Bifidobacterium 属) が、酸素に影響されにくいのですが「偏性」嫌気性菌に分類されることは既出知識です。㋒ は Bifidobacterium breve です。正解は 4 or 5 です。

㋓ ですが
Escherichia coli (E.coli) が大腸菌で、大腸菌が 通性嫌気性菌であることは基礎知識です。そのため、㋓ は E.coli ではありません。選択肢 5 は誤りです。

ちなみに「Acetobacter pasteurianus:アセトバクター属酢酸菌」は、食酢醸造現場において米酢もろみ上の発酵菌膜から分離された酢酸菌です。


以上より、正解は 4 です。

類題 H27年 問79 微生物の環境適応
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-79/

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