国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問75解説

 問 題     

細胞のシグナル伝達に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 細胞外シグナル分子のうち、チロキシンやコルチゾールは標的細胞の細胞膜を透過して細胞質内に入る。

㋑ 活性化した G タンパク質が不活性状態に戻る際には、βγ 複合体が GTP アーゼとして働く。

㋒ プロテインキナーゼ A (cAMP 依存タンパクキナーゼ:PKA) は標的タンパク質の特定のチロシン残基をリン酸化し、その活性を変化させる。

1.㋐
2.㋐、㋑、㋒
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
細胞外シグナル分子についての記述です。

㋑ ですが
不活性化状態に戻る際は、α サブユニットが GTP アーゼとして働きます。その結果 GTP が分解されて GDP となり、再び βγ サブユニットと結合し、不活性型の三量体を形成します。「βγ 複合体が GTP アーゼとして働く」わけではありません。㋑ は誤りです。

㋒ ですが
プロテインキナーゼ A は、標的タンパク質の特定の「セリンまたはスレオニン残基」をリン酸化します。チロシン残基ではありません。㋒ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

類題 H30no73 セカンドメッセンジャー
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-30-73/

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