問 題
臓器・器官間の協調による代謝制御に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 通常、脳のエネルギー源はグルコースであるが、絶食などにより肝臓のグリコーゲンが枯渇すると、肝臓でアセチル CoA から合成されるケトン体も利用されるようになる。
㋑ 絶食などにより肝臓のグリコーゲンが枯渇すると、筋構成タンパク質の代謝やアセチル CoA からの変換で生じたアデニンが筋から肝臓に運ばれ、糖新生に利用される。
㋒ 激しい運動によって骨格筋で生じた乳酸は、筋細胞の乳酸脱水素酵素によってアセチル CoA に変換され、糖新生に再利用される。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒
正解.1
解 説
㋐ は妥当です。
脳のケトン体利用についての記述です。
㋑ ですが
空腹時には、筋肉からアラニンが放出され、肝臓に送られグルコースに変換されます。これをグルコース-アラニン回路といいます。アラニンはタンパク質の分解により産生されます。「アセチル CoA からの変換で生じた」わけではありません。㋑ は誤りです。
㋒ ですが
乳酸は、乳酸脱水素酵素により「ピルビン酸」に変換されます。「アセチル CoA」に変換ではありません。㋒ は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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