国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問61解説

 問 題     

抗酸化性を示す食品成分に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ デヒドロアスコルビン酸の酸化によって生成する 2、3 ‒ ジケトグロン酸は、生体内で再びデヒドロアスコルビン酸に還元されるためビタミン C としての活性を有する。

㋑ フラボノイド類を基本骨格によって比較すると、フラバノンとフラボンでは二重結合の数のみが異なり、フラボノールとフラバノールではカルボニル基の有無のみが異なる。

㋒ α ‒ カロテン、β ‒ カロテン、β ‒ クリプトキサンチン、リコピンの一重項酸素消去能を比較すると、一般にリコピンの一重項酸素消去能が最も高い。


1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
デヒドロアスコルビン酸から 2,3 – ジケトグロン酸への反応は不可逆です。「生体内で再びデヒドロアスコルビン酸に還元されるためビタミン C としての活性を有する」わけではありません。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
フラボンは、植物体内においてフラバノンからの脱水素によって生合成されると考えられています。そのため、フラバノンとフラボンの違いは「二重結合の数のみ」といえます。前半部分は妥当です。

一方、フラボノールとフラバノールでは、カルボニル基の有無に加え、二重結合の数が異なります。「カルボニル基の有無のみが異なる」ではありません。㋑ は誤りです。


㋒ は妥当です。
リコピン等についての記述です。


以上より、正解は 5 です。

類題 H29no61 食品の機能性成分
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-61/

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