国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問56解説

 問 題     

薬物の体内動態の変動に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 肝硬変患者では、肝代謝型薬物の肝クリアランスが低下する。

㋑ 心筋梗塞患者では、塩基性薬物の分布容積が減少する。

㋒ 高齢者では、若年者に比べて脂溶性薬物の体重当たりの分布容積が小さい。

㋓ 新生児では、成人に比べて水溶性薬物の体重当たりの分布容積が小さい。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
肝硬変で肝臓の機能が低下するためです。

㋑ は妥当です。
心筋梗塞時に α1 – 酸性糖タンパク質 産生が向上するためです。

㋒ ですが
高齢者は水分低い → 相対的に脂肪多い → 脂溶性薬物の分布容積は大きくなる という流れです。「高齢者では… 脂溶性薬物の…分布容積が小さい」わけではありません。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
新生児 → ぷりぷり水分多い → 水溶性薬物の分布容積が大きくなる という流れです。「新生児では… 水溶性薬物の… 分布容積が小さい」わけではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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