国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問55解説

 問 題     

薬物の吸収、分布及び代謝に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 経口投与後にリンパ系に移行した脂溶性薬物は、肝初回通過効果を受けやすい。

㋑ 難溶性薬物は、高脂肪食の摂取により消化管からの吸収が増大しやすい。

㋒ 膜透過性の高い薬物の組織移行性は、血流速度の影響を受けにくい。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全身循環系に到達します。「肝初回通過効果を受けやすい」わけではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
高脂肪食摂取の影響についての記述です。

㋒ ですが
膜透過性が高い薬物ならば、血流速度が大きくなるとより組織にスムーズに移行し、血流速度が小さくなると組織になかなか移行しないとなって、血流速度の影響を受けやすいと考えられます。㋒ は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

類題 H29no55 組織移行
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-55/

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