問 題
パーキンソン病とその治療薬に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ パーキンソン病は、脳内の黒質-線条体ドパミンニューロンが喪失し振戦や姿勢反射障害などの症状が出る疾患であり、その主な原因は SOD1 遺伝子の変異であると考えられている。
㋑ エンタカポンは血液脳関門を通過し、芳香族 L ‒ アミノ酸デカルボキシラーゼを阻害することで脳内のドパミン濃度を高める。
㋒ セレギリンは、MAO ‒ B 阻害作用により、分泌されたドパミンの分解を抑制し、脳内のドパミン濃度を高める。
㋓ 末梢に移行したレボドパは代謝されてドパミンとなり、化学受容器引金帯 (CTZ) のドパミン D2 受容体を刺激して嘔吐を引き起こすことがある。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解.5
解 説
㋐ ですが
SOD1 遺伝子は、筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic lateral sclerosis, ALS) の原因遺伝子の 1 つです。パーキンソン病の原因遺伝子とは考えられていません。㋐ は誤りです。
㋑ ですが
エンタカポンは 「COMT」 を阻害して「末梢」での 「3 – O – メチルドパ」 の生成を抑制します。「芳香族 L ‒ アミノ酸デカルボキシラーゼを阻害」ではありません。また脳内のドパミン濃度を高める薬物でもありません。㋑ は誤りです。
㋒ は妥当です。
セレギリンについての記述です。
㋓ は妥当です。
レボドパについての記述です。
以上より、正解は 5 です。
類題 H29no51
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-51/
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