問 題
ブドウ球菌の細胞壁は、含窒素糖鎖がペプチド鎖で架橋された網目状構造をもつペプチドグリカンで構成されている。糖鎖どうしを結ぶペプチド鎖の架橋は、図のようにトランスペプチダーゼがペプチド C 末端の D ‒ Ala – D ‒ Ala を認識し、D ‒ Ala を一つ切り離すと同時に別の含窒素糖鎖につながっているペプチドの N 末端のグリシンを結合させることにより形成される。
次の構造式 ㋐,㋑,㋒ のうち,トランスペプチダーゼと基質との結合を阻害することによりブドウ球菌の増殖を抑える薬物として妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
1.㋐
2.㋐,㋒
3.㋑
4.㋑,㋒
5.㋒
正解.1
解 説
㋐ は β – ラクタム系
㋑ はテトラサイクリン系
㋒ は 14 員環マクロライド系 と読み取れます。
㋑、㋒ の作用機序は「タンパク質合成阻害」です。作用点がリボソームです。トランスペプチダーゼではありません。
従って
妥当なものは ㋐ のみです。
以上より、正解は 1 です。
ちなみに、㋐ は アンピシリン
㋑ は テトラサイクリン
㋒ は エリスロマイシン です。
類題 薬剤師国家試験 108-166
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-166/
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