国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問38解説

 問 題     

熱交換器に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「比熱 3000 J・kg-1・K-1 の高温流体 1.5 kg・s-1 を、熱交換器を用いて 90 ℃ から 30 ℃ に冷却するために、比熱 4000 J・kg-1・K-1 の低温流体を 1.8 kg・s-1、入口温度 20 ℃ で熱交換器に流した。このとき、低温流体の出口温度は ㋐ となる。

ここで、低温流体の比熱を大きくすると、低温流体の出口温度は ㋑ なる。ただし、熱の授受は高温流体と低温流体の間でのみ行われるものとする。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

問題文より
1 秒間に 1.5kg 90℃ の高温流体が流れてきます。比熱 3000J/kg・K なので「1kg 1K 温度下がるには 3000J 奪われる」必要があります。1.5kg なので、1K 温度下げるなら 3000 × 1.5 = 4500 J 奪われます。60K 下げるなら 4500 × 60 = 270000J です。

低温流体は 1 秒間に 1.8kg 流れてきます。1K 上昇するのに 4000 × 1.8 = 7200J です。270000 ÷ 7200 = 37.5 なので、高温流体から 270000 J 奪えば、低温流体は 37.5K 温度が上がります。20 + 37.5 = 57.5 です。㋐ は 57.5 ℃ となります。正解は 4 or 5 です。


㋑ ですが
高温流体から奪う熱量 270000 J は変わらないので、低温流体の比熱が大きくなれば、上昇する温度は「小さく」なります。そのため、低温流体の出口温度は「低く」なります。


以上より、正解は 5 です。

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