国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問26解説

 問 題     

燃料電池に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「リン酸型燃料電池では、負極では ㋐ の反応、正極では ㋑ の反応が起こる。

また、ある水素-酸素燃料電池を用いた自動車は、水素を外部から供給するベンチテストでは、5.0 kg の水素で 600 km 走行できる。

この燃料電池自動車が 1.0 km 走行する際に排出する水の質量は、およそ ㋒ g となる。ただし、水素は全て走行に使われるものとし、水素と酸素の原子量はそれぞれ 1.0 及び 16 とする。」

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
燃料電池の負極では、水素が 電子を放出して水素イオンになります。正解は 3 or 4 です。これにより、㋑ は O2 + 4H+ + 4e → 2H2O とわかります。

㋒ ですが
まず、㋐、㋑ の半反応式を 電子の係数をあわせて足せば「2H2 + O2 → 2H2O」です。式の係数から、消費した水素のモル数と水のモル数が等しいとわかります。

5.0kg の水素で 600km 走行なので
1km 走行するには
5.0/600 kg
= 1/120 kg
= 1000/120g (1kg → 1000g)
= 500/120 mol (2g → 1mol) の H2 が必要です。

同 mol の水は
(500/120) mol × 18 = 75g です。


以上より、正解は 3 です。

類題 R1no36 電池
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-36/

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