国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問16解説

 問 題     

図Ⅰのように、同じ鉄心にコイル 1 とコイル 2 が巻かれている。コイル 1 に流す電流 I を図Ⅱのように時間変化させたとき、コイル 2 に生じる誘導起電力 V の時間変化を定性的に表したグラフとして最も妥当なのはどれか。

ただし、I は図Ⅰの矢印 a の示す向きに流れるときを正とし、V は抵抗に図Ⅰの矢印 b の示す向きに電流が流れるときを正とする。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

コイルは変化を嫌うので、時刻 T から 電流がコイル 1 に流れ、磁界が右向きに発生すると、それを打ち消す左向きの磁界が生じるように、コイル 2 に電流が流れます

左向きの磁界が生じるような電流の向きは、右ねじの法則より b 方向です。そのため、V は正の符号となります。選択肢 2,4 は誤りです。


相互誘導により生じる起電力 V
は、インダクタンスを M とした時に V = M (dI/dt) と表せます。電流の傾きが一定であれば、V は一定であるということです。そのため、選択肢 1 は誤りです。また、I の傾きが変わる 時刻 2T で、V は変化します。そのため、選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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