国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問102解説

 問 題     

生物の移入と絶滅が平衡状態にあり、島の生物地理学の理論が当てはまる典型的な島の生態系に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 面積の大きな島では、面積の小さな島に比べて環境の異質性が高いため、生物種の種数が多くなる。

㋑ 面積の大きな島では、面積の小さな島に比べて環境変動の影響を受けやすいため、生物種の絶滅率が高くなる。

㋒ 面積の大きな島では、面積の小さな島に比べて食物連鎖長が長くなる。

㋓ 大陸から近い島では、捕食者の移住率が高いため、大陸から遠い島よりも生物種の種数が少なくなる。


1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋑、㋓
3.㋐、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当です。
面積が大きい → 環境の異質性が高い → 種数が多い という流れです。小さな島より大きな島ほど生息する動植物の種数が多いというのは「島の種数-面積関係」と呼ばれます。

㋑ ですが
面積が小さい島の方が環境変動の影響を受けやすいと考えられます。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
「種数が多い」から推測できます。

㋓ ですが
捕食者だけ移住率が高いわけでもないため、種数が少なくなるわけではないと考えられます。大陸から近い島ほど種数が多い傾向が見られます。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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