国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問7解説

 問 題     

ある生物の DNA を構成する塩基の数の割合を調べたところ、グアニンとシトシンの合計が40 % であった。また、この DNA の一方の鎖を構成する塩基のうち、35 % がチミン、15 %がシトシンであった。この鎖と対をなす鎖におけるチミンの割合はおよそいくらか。


1. 15 %
2. 20 %
3. 25 %
4. 30 %
5. 35 %

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

【DNA 全体の塩基の数の割合】

DNA 構成塩基の相補性から、アデニン (A) と チミン (T) の数は等しいです。また、シトシン (C) とグアニン (G) の数も等しいです。

グアニンとシトシンの合計が 40% であれば
グアニン 20%、シトシン 20% …(1) です。

残りの塩基であるアデニンとチミンの合計が 60% なので
アデニン 30%、チミン 30% …(2) です。


【DNA鎖 1 本ずつに注目した割合】

DNA の 片方の鎖を鎖 1 とおきます。もう一方を鎖 2 とします。

鎖 1 の 塩基の 35% がチミン (T) なら
鎖 2 の 塩基の 35% が アデニン (A) です。

鎖 1 の 塩基の 15% がシトシン (C) なら
鎖 2 の塩基の 15% が グアニン (G) です。


仮に選択肢 1 が正解とすると

鎖 2 のチミン 15% → 鎖 1 のアデニン 15% 、鎖 2 の残り 35% が シトシン → 鎖 1 の 35% がグアニンとなります。

すると
グアニンが 鎖 1 の 35% + 鎖 2 の 15%
シトシン が 鎖 1 の 15% + 鎖 2 の 35% なので、グアニンとシトシンが DNA 全体の塩基の数の 50% を占めてしまいます。(1) と矛盾するため誤りです。

各選択肢を同様に検討すれば、選択肢 3 が妥当です。


以上より、正解は 3 です。

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