国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問97解説

 問 題     

遺伝学の個人の識別への応用に関する次の記述の ㋐,㋑,㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「PCR 法によるヒトの個人の識別には,ゲノムに含まれる ㋐ の多型が主に用いられている。また,ヒトの性の判別には, ㋑ 遺伝子が用いられている。ヒトの ㋑ 遺伝子は X 染色体と Y 染色体の両方に存在するが,X 染色体の ㋑ 遺伝子には 6 bp の欠失がある。

性別判定のために開発されたプライマーを用いてこの遺伝子領域を PCR で増幅すると,女性の体細胞由来の DNA からは 106 bp の DNA 断片のみが増幅され,男性の体細胞由来のDNA からは ㋒ が増幅される。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

SRY(Sex-determining region Y) は、哺乳類の Y 染色体上にあり、胚の性別を雄に決定する遺伝子です。これが基礎知識です。㋑ が SRY ではないことがわかるので、正解は 3 or 5 です。

㋒ ですが
6bp 欠失があるのが X 染色体ならば、Y 染色体からは 106 + 6 = 112 bp が増幅されます。そして、男性であれば XY なので、106 bp と 112 bp 断片が増幅されます。


以上より、正解は 5 です。

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