国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問96解説

 問 題     

ミトコンドリアの遺伝に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 出芽酵母の二つの一倍体細胞が接合すると、それぞれの一倍体細胞に由来するミトコンドリアが接合体の中で混在する。

㋑ ヒトの一つの体細胞に含まれる野生型と変異型のミトコンドリア DNA の割合は、細胞が分裂してもほぼ一定に保たれる。

㋒ 一つの細胞内で野生型と変異型のミトコンドリア DNA が混在している状態はヘテロプラスミーである。

㋓ ミトコンドリア病の原因となるタンパク質が核のゲノム DNA にコードされている場合、そのミトコンドリア病はメンデル遺伝する。


1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋑、㋒、㋓
3.㋐、㋑、㋓
4.㋐、㋒、㋓
5.㋑、㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐、㋓ は妥当です。


㋑、㋒ ですが
1 つの細胞に多数のミトコンドリアが存在し、その中にある割合で変異型ミトコンドリア DNA を有するものがあります。この「細胞内の変異型ミトコンドリアの割合」は、細胞分裂により変化します。㋑ は誤りです。

そして、1 つの細胞内で 野生型と変異型のミトコンドリアが混在している状態はヘテロプラスミーといいます。ちなみに、野生型のみ もしくは 変異型のみの場合は、ホモプラスミーといいます。㋒ は妥当です。


以上より、正解は 4 です。

類題 R1no96 遺伝病の家系図
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-96/

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