国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問92解説

 問 題     

補体系に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「補体系は C1 から ㋐ に至る主要な成分から成る酵素カスケードである。カスケードの活性化は、微生物由来の物質(酵母の細胞壁やエンドトキシンなど)によって開始される。この活性化経路は第二経路 (代替経路、副経路) と呼ばれ、抗体の存在を前提としないので、進化学的には第一経路 (㋑) よりも先行したものと考えられている。

第二経路は C3 の酵素的開裂現象であり、その過程で生じる C3a や C5a はアナフィラトキシンとして ㋒ を刺激し、 ㋓ などの炎症メディエーターの分泌や、気管支や腸管の平滑筋収縮などの直接的なトリガーとなる。一連の後半成分 (C5b~ ㋐) までが細胞膜上で集合すると、膜侵襲複合体 (MAC) を形成し細胞溶解が起こる。」

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

補体は自然免疫系に属するタンパク質の総称です。補体には大きく 9 つの成分があり、C1 ~ C9 と表されます。補体は、古典経路、レクチン経路、第二経路の 3 つの経路により活性化されることがわかっています。ここまでが補体についての基礎知識です。

㋐ は「C9」です。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ は古典経路です。

㋒、㋓ ですが
C3a,C4a,C5a はアナフィラトキシンと呼ばれます。炎症反応を引き起こします。炎症反応を引き起こすものなので「肥満細胞」です。B 細胞は 抗体産生細胞です。また炎症メディエータなので「ヒスタミン」です。フィブリンは、分解され活性化したもので、血液凝固タンパク質です。


以上より、正解は 3 です。

類題 105-117 補体の活性化と機能
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-117/

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