国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問88解説

 問 題     

ヒトの小脳に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 小脳皮質は、表面側から分子層、プルキンエ細胞層、顆粒細胞層の 3 層に分けられる。

㋑ 前庭器官からの求心性線維は苔状線維であり、顆粒細胞に情報を伝達する。

㋒ プルキンエ細胞層には、プルキンエ細胞と呼ばれる興奮性のニューロンが存在する。

㋓ 小脳皮質からの遠心性線維は、顆粒細胞の軸索のみである。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
小脳皮質についての記述です。

㋑ は妥当です。
苔状線維についての記述です。

㋒ ですが
プルキンエ細胞は、小脳皮質を代表する統合的ニューロンです。プルキンエ細胞は GABA 作動性です。抑制性シナプスを形成します。「興奮性」ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
遠心性線維は「中枢 → 末梢」に向かって、信号の「出力」を担います。そして、小脳からの出力信号を唯一発するのはプルキンエ細胞です。そのため「遠心性線維は、顆粒細胞の軸索」ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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