国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問86解説

 問 題     

健康なヒトの血漿に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 膠質浸透圧の形成に対する寄与が最も大きい血漿タンパク質はアルブミンである。

㋑ 血漿に含まれる陰イオンのうち、濃度が最も高いのは Cl- である。

㋒ 体重に占める血漿の割合は、体重に占める間質液(組織液)の割合よりも大きい。

㋓ 血漿と間質液 (組織液) の電解質組成はほぼ同じであるが、血漿の方が間質液 (組織液) よりもタンパク質の濃度が低い。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
膠質浸透圧は浸透圧の一種です。主としてアルブミンの濃度によって生じる浸透圧のことです。膠質はコロイドのことです。

㋑ は妥当です。
血漿のイメージが「海」→ 塩 → Na+、Cl- 多いのでは といった連想で考えてもいいかもしれません。

㋒ ですが
血漿・リンパ液・脳脊髄液合わせて約 5% 程度です。一方、間質液 (組織液) は約 15% 程度です。間質液の割合の方が大きいです。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
間質液 (組織液) は血管から漏れ出る液です。そして、タンパク質は大きい分子なので完全に漏れ出るわけではありません。そのため、タンパク質濃度は間質液 (組織液) の方が小さいです。「血漿の方が… タンパク質濃度が低い」わけではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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