国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問85解説

 問 題     

哺乳類の染色体に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ Xist にコードされるタンパク質が、抑制複合体を形成し X 染色体の遺伝子発現を抑制することで、雌の 2 本のX 染色体のうち 1 本を不活性化する。

㋑ 三毛猫が通常雌でみられるのは、黒毛色遺伝子とオレンジ毛色遺伝子が X 染色体に存在するからである。

㋒ 不活性化された X 染色体のクロマチンの多くは、ユークロマチンと呼ばれる凝縮した状態を呈している。

㋓ 性決定は、一次性決定と二次性決定によって支配されるが、染色体が支配するのは一次性決定である。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
Xist の遺伝子転写産物である 「Xist RNA」 が、2 本ある X 染色体のうち 1 本を不活性化させます。「Xist にコードされるタンパク質」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
三毛猫についての記述です。

㋒ ですが
まず、クロマチンは、DNAとヒストンの複合体です。そして、凝縮度が高いのがヘテロクロマチンです。ゆるいのがユークロマチンです。ユークロマチンが、転写活発な領域です。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
性決定についての記述です。


以上より、正解は 5 です。

類題 H29 no85 発生に関わる転写因子
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-85/

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