国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問78解説

 問 題     

光合成を行う微生物に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 光エネルギーを捕捉するバクテリオクロロフィル a は、マンガン原子をもつポルフィリン系色素である。

㋑ 光エネルギーを化学エネルギーに変換する反応は、電子供与体として水を利用する酸素発生型と、還元型の硫黄化合物などを利用する酸素非発生型に分かれる。

㋒ 光エネルギーで電子が流れる電子伝達系として、シアノバクテリア(ラン藻)の酸素発生型では二つ、紅色細菌の酸素非発生型では一つの光化学系が存在する。

㋓ 二酸化炭素を固定する反応は、カルビン回路、酸化的 TCA 回路、3 ‒ ヒドロキシプロピオン酸回路の 3 種類が知られている。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
クロロフィルの中央金属といえば、通常 Mg です。「マンガン」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑、㋒ は妥当です。

㋓ ですが
酸化的 TCA 回路とは、クエン酸回路とも呼ばれる「呼吸」の一部を構成する回路です。二酸化炭素を生成する回路であり、二酸化炭素を固定する、つまり二酸化炭素を原料として有機化合物を作る反応には含まれません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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