国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問77解説

 問 題     

グラム染色に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「グラム染色は細菌の分類で用いられる重要な染色方法である。グラム染色では、細菌を ㋐ とルゴール液で処理した後にアルコールで脱色処理を行う。一般的に、アルコールで脱色されず染まるものがグラム陽性細菌、脱色されるものがグラム陰性細菌である。

この染色はグラム陽性細菌が分厚い ㋑ をもつことに基づいている。グラム陽性細菌としては ㋒、グラム陰性細菌としては Escherichia 属などがある。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

グラム染色の流れと使用する試薬は上の通りです。㋐ は「クリスタルバイオレット」です。正解は 1 or 2 です。これにより、㋒ はラクトバチルス (Lactobacillus) 属です。ラクトバチルス属は、グラム陽性桿菌です。糖を乳酸に代謝する乳酸菌群の大部分を占めています。


㋑ ですが

グラム陽性菌は分厚い「ペプチドグリカン層」があり、脱色で色が抜けません。㋑ は「ペプチドグリカン層」です。ちなみに「リポ多糖層」は、グラム陰性菌の一番外側の細胞膜構造です。


以上より、正解は 1 です。

類題 薬剤師国家試験 108-15 グラム陰性菌に特徴的な構造
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-015/

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