国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問75解説

 問 題     

ノンコーディング RNA に関する次の記述の ㋐,㋑,㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「マイクロ RNA は通常ポリメラーゼⅡにより転写され ㋐ の前駆体から切り出され,㋑ などの一群のタンパク質と会合して RNA 誘導型サイレンシング複合体 (RISC) を構成し,翻訳の抑制や mRNA の分解などにより遺伝子発現を制御する。リボソームを構成する rRNA は ㋒ を触媒するリボザイムである。」

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

マイクロ RNA (miRNA) は、21 ~25 塩基程度の、一本鎖 RNA です。ゲノム上にコードされているがタンパク質へは翻訳されない RNA です。 RNA ポリメラーゼⅡにより転写を受けて前駆体ができます。この前駆体の構造的特徴がステムループ構造です。前駆体の成熟に関与するのが Drosha や Dicer です。

成熟したマイクロ RNA は、Argonaute とともに RISC とよばれる RNA – タンパク質複合体を形成し、相補的な配列をもつ mRNA の発現を抑制します。㋐ は「ステムループ構造」、㋑ は「Argonaute」です。これにより、㋒ は「ペプチド結合の形成」とわかります。


以上より、正解は 2 です。

類題 H27 no74 真核細胞のノンコーディング RNA
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-74/

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