問 題
殺虫剤の系統名、有効成分、作用機構に関する次の表の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
正解.1
解 説
㋓ から考えるとよいです。
ピレスロイドについてですが、もともと除虫菊の花の殺虫成分であるピレトリンを化学的に安定化し、残効、効力を増したものを総称して、合成ピレスロイドといいます。作用機序は、神経軸索の膜表面にあるナトリウムイオンチャネルに速やかに作用し、チャネルを開放状態にすることで、正常な神経伝達を阻害するという機序です。正解は 1 or 5 です。これにより、㋒ はイミダクロプリドとなります。
㋑ ですが
リアノジン受容体を作用点とするのは、ジアミド系殺虫剤です。フェニルピラゾール系ではありません。フェニルピラゾール系の作用機序は「GABA による Cl– チャネルコントロールを阻害」です。選択肢 5 は誤りです。
ちなみに
㋐ の選択肢に出てくるベンフラカルブは、カルボフラン誘導体のカーバメート系殺虫剤です。作用機構は、代謝分解されてカルボフランに変換され、昆虫の神経伝達系に存在するアセチルコリンエステラーゼの活性阻害により殺虫効果を発揮すると考えられています。
以上より、正解は 1 です。
類題 H27no69 我が国における農薬の発達史
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-69/
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