国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問60解説

 問 題     

食品の保存に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ さつまいもを長期保存するため、20~25 ℃、湿度70~80 % に 1 週間程度置くキュアリング処理をした後、10 ℃ 以下に置く。

㋑ 魚肉の鮮度の指標である K 値は、ATP 関連化合物総量に占めるイノシン量とヒポキサンチン量の和を百分率で表したものである。

㋒ かんきつ類は、保存中、植物ホルモンのエチレンにより、著しく呼吸量が減少するクリマクテリック型の果実である。


1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
銘柄によって異なるのですが、キュアリング処理は一般的に 30~35℃、湿度90 ~ 100% の 高温多湿環境下に約 1 週間貯蔵後、12 ~ 14℃ まで温度を下げる処理です。「20 ~ 25 ℃」、「湿度 70 ~ 80%」、「10 ℃ 以下」ではありません。㋐ は誤りです。

キュアリング処理により、収穫時にできた傷が乾いてコルク化します。その結果、病原菌の侵入による腐敗防止が期待されます。また、粘度や甘みが増したり、外皮がなめらかになるなどのメリットがあります。


㋑ は妥当です。

K 値に関する記述です。

㋒ ですが
成熟段階になって呼吸活性が「一時的に増加する」果実をクリマクテリック (クライマクテリック) 型果実といいます。「呼吸量が減少」ではありません。㋒ は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

類題 H27 no61 食品の貯蔵
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-61/

コメント