国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問51解説

 問 題     

消化管及び消化管に作用する薬物に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ モルヒネは、腸管に存在するオピオイド μ 受容体に作用し、腸管神経叢からのアセチルコリン遊離を抑制し、腸運動を抑制することで止瀉作用を示す。

㋑ 硫酸バリウムは、腸管粘膜から吸収されず腸管腔に水を吸引して水様便を排出させる塩類下剤である。

㋒ イトプリドは、ドパミン D2 受容体拮抗作用に加えてコリンエステラーゼ阻害作用をもち、消化管運動を促進する。

㋓ 腸管の運動をつかさどる腸神経系にはアウエルバッハ神経叢とマイスナー神経叢があり、前者は消化腺からの分泌に関与し、後者は平滑筋の運動に関与している。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋒、㋓
4.㋑、㋒、㋓
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
モルヒネに関する記述です。

㋑ ですが
硫酸バリウムは X 線造影剤です。記述は 酸化マグネシウムなどに関する記述です。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
イトプリドに関する記述です。

㋓ ですが
アウエルバッハ神経叢は、小腸の蠕動運動に関与しています。マイスナー (マイスネル) 神経叢は、腺分泌などに関与しています。神経叢の名前と機能の対応が逆です。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

類題 薬剤師国家試験 105-158
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-158/

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