国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問49解説

 問 題     

分子標的治療薬に関する記述 ㋐ ~ ㋔ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ インフリキシマブは、CD20 に対する抗体で、B 細胞性非ホジキンリンパ腫に有効である。

㋑ ソラフェニブは、VEGF 受容体キナーゼ阻害剤で、腎細胞がんに有効である。

㋒ エベロリムスは、PDGF 受容体キナーゼ阻害剤で、腎細胞がんに有効である。

㋓ ゲフィチニブは、EGF 受容体キナーゼに対する抗体で、肺がんに有効である。

㋔ ボルテゾミブは、プロテアソーム阻害剤で、多発性骨髄腫に有効である。


1.㋐、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋓
4.㋑、㋔
5.㋒、㋔

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
インフリキシマブ(レミケード)は、遺伝子組み換え 抗ヒト TNF-α モノクローナル抗体です。「CD20 に対する抗体」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
ソラフェニブ(ネクサバール)は、マルチチロシンキナーゼ阻害薬です。

㋒ ですが
エベロリムス(アフィニトール)は、ほ乳類ラパマイシン標的タンパク質 (mTOR) 阻害薬です。PDGF 受容体キナーゼ阻害剤ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
ゲフィチニブは、上皮増殖因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ選択的阻害薬です。EGF 受容体キナーゼに対する「抗体」ではなく、低分子薬です。

㋔ は妥当です。
ボルテゾミブは、プロテアソーム阻害剤です。


以上より、正解は 4 です。

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