国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問38解説

 問 題     

溶解性ガスを含む気相と吸収液の液相が接触したとき、溶解性ガスが気相から気液界面へと移動し、液相に溶解する。このガス吸収に関して、二重境膜モデルを用いて考える。

気液界面近傍の気相境膜では、気相物質移動係数 kG と圧力差によって移動速度が決まり、液相境膜では、液相物質移動係数 kL と濃度差によって移動速度が決まる。液相における溶解性ガスの濃度、気相における溶解性ガスの分圧をそれぞれ C、P としたとき、物質移動速度として最も妥当なのはどれか。

ただし
気液界面では次のヘンリーの法則が成り立つものとし、ヘンリー定数をH とする。

Pi = HCi
ここで、Ci、Pi はそれぞれ気液界面における溶解性ガスの濃度及び分圧である。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

まず、気相における分圧 が大きくなれば、移動速度も大きくなると考えられるので、P の符号は正と考えられます。これで正解は 2 or 4 or 5 です。


後は二重境膜説における 気相総括移動係数 を K とおくと 1/K = 1/kG + H/kL であることを見たことがあれば、選択肢から 選べるのではないでしょうか。


以上より、正解は 5 です。

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