国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問37解説

 問 題     

84 wt % C と16 wt % H からなる燃料油を過剰空気率 20 % で燃焼させたところ、燃焼により 90 % の C が CO2 に、10 % の C が CO にそれぞれ酸化された。このとき、水蒸気を除いた燃焼ガス中の CO2 と O2 のガス組成の組合せとして最も妥当なのはどれか。

ただし、空気は窒素と酸素がモル比で 4.0:1.0 の割合で混合された気体とし、C と H の原子量をそれぞれ 12、1.0 とする。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

【燃料油、空気の組成】
燃料油を 100g とします。
84wt%、16wt% なので、燃料油が 100g あれば、そのうち 84g が C、16g が H であるということです。モルに直しておくと、C 7mol、H2 8mol です。

完全燃焼の式は基本知識です。
C + O2 → CO2、2H2 + O2 → H2O なので、完全燃焼には、O2 が 7mol + 4mol = 11mol 必要です。すると空気は 55mol 必要です。過剰空気率が 20% なので、使用する空気は 55 × 1.2 = 66 mol です。空気の内訳は O2 13.2 mol、N2 52.8 mol です。

【C,H の燃焼】
90% の C が CO2 に完全燃焼するので
CO2 が 7 × 0.9 = 6.3 mol できます。使用される O2 は 6.3 mol です。

10% の C が CO に不完全燃焼するので
CO が 7 × 0.1 = 0.7 mol できます。使用される O2 は 0.35 mol です。

また、H2 の燃焼で 4 mol O2 が使用されます。

 

【燃焼ガスの組成】
水蒸気を除いた燃焼ガスの組成は、以下のようにまとめることができます。

・N2 :52.8 mol
・O2 :13.2 – (6.3 + 0.35 + 4) = 2.55 mol
・CO2 : 6.3 mol
・CO :0.7 mol

合計:52.8 + 2.55 + 6.3 + 0.7 = 62.35 mol


CO2 のガス組成は
6.3 ÷ 62.35 × 100 ≒ 10 mol%

O2 のガス組成は
2.55 ÷ 62.35 × 100 ≒ 4.1 mol% となります。

 

以上より、正解は 3 です。

類題 R1no37 コークスの燃焼ガス組成
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-37/

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